MLS -- Mitani Landscape Studio, Inc.--

PROJECT 三谷康彦の仕事

日本平ホテル

Nippon-Daira Hotel

コンセプト
「変容する風景の庭」 ~Floating Stone & Transfiguration of Water Garden~
本プロジェクトは、静岡市の「日本平公園整備事業」の一環で、静岡の老舗ホテルである「日本平ホテル」が1964年の創業以来初となる全面建て替えを行い、リニューアルオープンしたものである。
「風景美術館」をコンセプトとし、一面ガラスの吹き抜けのエントランスロビーからは、富士山や駿河湾、静岡市街を一望でき、風景を「絵画」のように楽しめる設えとなっている。
日本料理「富貴庵」脇に誕生したこの庭は、 日本庭園でも西洋式ガーデンでもない、日本平ならではの風景と環境、そして地形の変化を活かした、 ダイナミックに姿を変容する、「庭」の概念を超えた「外部空間」を目指した。
白砂白洲を使った禅庭のようにミリ単位の水平ラインを体現した3つの平明な庭に、瀬戸内海に浮かぶ「犬島」から採掘された伸びやかな「花崗岩」の巨石を景石として、庭の床面部分には地元静岡産「輝緑岩」砂利、黒色花崗岩のスレート石、そして水生植物によってミニマムに構成した。 建物の長手軸と平行に注意深く据えられた長い棒状の巨石は、湿性植物の柔らかい素材感と相まって、深い奥行き感と距離感、加えて水平感を醸成させた。
この平庭には水の干満による変化を楽しめる演出とした。 砂利の面・スレート石の面・水面・そして水音など、約30分間の「4楽章」で構成され、水位の変化がもたらす池の水裳の模様や、広がり感、伸びやかな景石の「浮遊する石の庭」を、特別な食事を楽しまれ、くつろがれる、限られたひと時の間に、目でも風景の変化を味わって頂けるような設えとした。
基本情報
場所:静岡県静岡市清水区馬走1500-2
Location:1500-2 Mabase,Shimizu-ku,SHIZUOKA
竣工:2012年9月
規模:5,769.13㎡(敷地面積)
内容:
設計監理:日建設計
ランドスケープ:三谷康彦(MLS)