住商竹橋ビル
Sumisho Takebashi Building
- コンセプト
- 大型賃貸ビルのリノベーションの一貫としての外部空間も併せてのジャッキアップ・プロジェクト。皇居の緑のボリュームがすぐ傍にあり、その緑で冷やされた風が流れ込んでくるものの、三方を首都高速道路の高架橋に囲まれて状況は決して容易い条件ではなかった。首都高の土木的なインパクトは大型のモウソウチクを首都高沿いに植栽することにより、弱めること。コンクリートとアスファルトで固められてしまっている都市の中の、オアシス空間として、年中花が咲き乱れるようにすること。舗装材も、歩いていて頭にガツンんと響かない歩行感のゴムチップ舗装や、ガーデン的なやさしい雰囲気を醸し出す乱張り舗装、ウッドデッキなどを使用して、足裏からの「いやし」を心がけること。建物の中のロビー空間と外部の庭空間が繋がり広がり感を醸成するために、舗装の連続感と内外の植栽の連続感を持たせること。花壇の石積み腰壁等も、無垢の石を使って敢えて素人くさく、下手な石積みを由とした。建築施設のテナント・ユーザーや近所のビルに勤めるビジネスマンの、また都市住民にとって愛されるオアシス空間として、着実に成長していくのが楽しみな庭。大手町近辺に行ったときには、1階に入っているカフェの珈琲を、ガーデンに用意された席で飲むのを楽しみにしている。
- 基本情報
- 場所:東京都千代田区一ツ橋1丁目2
- Location:1-2 Hitotsubashi Chiyoda-ku Tokyo
- 竣工:2009年3月
- 規模:建築前庭のリノベーションプロジェクト
- 内容:基本設計、実施設計、設計監理
- 設計監理:日建設計
- ランドスケープ、庭園設計担当:三谷康彦(元日建設計)