(旧)東京海上東日本研修センター
Tokio Marine Oyama Training Center
- コンセプト・雑感
- ピーター・ウォーカー事務所在時代のプロジェクト。
計画当初は敷地の周囲に大きな農地が広がっており、 デザイン意図は、「畝に起こされた畑」をモチーフに、綺麗に整列したストライプ模様により、 周辺の田園部に繋げる、というものだった。
ストライプ模様は、緑の草と砂利敷き。緑の草は伸びきりで30cm程度の冬草系を選定し、原則芝刈り機で刈らなくても風景として成り立つ草種を選定した。 砂利は、通常の単粒砕石で、砕石下地には防草シートが仕込まれており、ほぼメインテナンスフリーの、イニシャルコスト、ランニングコストともに模範的なローコストプロジェクトとなった。
残念なのは、外周に植栽したポプラが大きくなり、やっとフルスケールのランドスケープになりかけた時、ポプラの維持管理が出来ないということで1/3位に バッサリ切り詰められてしまった事や、周辺の農地に建売りの住宅がどんどん建ち始めてしまった事。プロジェクトの骨であった、地方の田園地帯に「場」に対 してのある種のデザイン配慮と幾分の「シニカルな視点」を持ったランドスケープデザインが弱くなったが、これも時の流れなのかも知れない。 今度はポプラを切り詰めた美しい生垣を、どこかで是非やってみたいと思う・・・ - 基本情報
- 場所:栃木県下野市薬師寺3311-1
- Location: 3311-1 Yakushiji,Shimotsuke-shi,Tochigi
- 竣工:1995年3月
- 規模:3ha
- 内容:基本設計、実施設計、設計監理
- 設計監理:鹿島デザイン
- ランドスケープ:三谷康彦(PWP)